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PALFINGER社は pure::variants で製品開発を加速

 
世界的なマーケットリーダーがパラメータ管理にpure-systemsのソリューションを採用

殆どの製品と同様、クレーンおよびリフティングソリューションは、ソフトウェアの割合が増加することで、ますます複雑になっています。PALFINGERは、リフティングソリューションのすべての制御ユニットパラメータを確実に管理するために、膨大な構成の多様性に対応できる適切なソリューションを探して、pure-systems の採用に至りました。そして、プロジェクト開始からわずか2年で、最新世代の制御ユニットを搭載した最初のローダークレーンが提供されるようになりました。

 

クレーンおよびリフティングソリューションの製造・提供業者として、PALFINGERは世界的なマーケットリーダーです。1932年にオーストリアのシェルディングで設立された同社は、他に類を見ないほどの進歩と伝統を兼ね備えた企業です。同社が提供するクレーンおよびリフティングソリューションは、かつては機械式が主流でしたが、現在ではその多くがソフトウェアによって自動化されています。
 
PALFINGERの新しいTECローダークレーンのような最新のリフティングソリューションは、モデルに応じて数百や数千ものパラメータの処理が必要な制御ユニットを装備しています。その結果、従来の手段やシステムではほとんど管理不可能な構成オプションの組合せが発生します。このような問題を回避するため、PALFINGERは、全てのパラメータを管理する解決策を模索しました。その結果、PALFINGERはpure-systemsのソフトウェアソリューションであるpure::variantsによって、新世代制御ユニットPALTRONIC 180 のすべてのパラメータを確実かつ安全に管理できるようになりました。
 

他の解決策は制限が厳しすぎた

「多くの製品でソフトウェアの割合が劇的に増加しており、開発者にとって大きな課題となっています」と、PALFINGERのコンピテンスクラスター「システムエンジニアリング」の責任者であるChristian Zingel博士は言い、「私たちの仕事は、すべての製品開発者がこれらの複雑なシステムの概要を把握できるように支援することです」 と続けます。PALFINGERには約800人の開発者が勤務しており、この実現は簡単ではありません。それでも、彼はチームや他部門の同僚とともに、非常に短期間で経営陣の要件を実現することができました。
 
2年前、PALFINGERは、クレーンとリフティングシステムのパラメータ管理のための新しいソリューションを見つけるという全体的な目標を設定しました。PALFINGERの経営陣と開発者は、古いツールが持続可能な選択肢ではないことを十分に認識していました。彼らの調査により、プロジェクトの責任者を :em engineering methods AGのデジタルエンジニアリングの専門家とすることになりました。Zingel博士は以前、同社でMBSEコンサルティングチームの責任者として働いており、博士がPALFINGERに移った後も、同社の専門家はチームに残り、プロジェクトの成功に大きく貢献しました。
 
システムエンジニアリングの専門家であるZingel博士と彼のチームは、すぐに最新世代の製品のパラメータ管理に適した IT ツールを探し始めました。徹底的な調査の結果、最終的にpure-systemsのpure::variantsを使用することに決めました。「検討した他のソリューションのほとんどは、制限が厳しすぎました」とZingel博士は振り返ります。「pure::variants を使うことで、PALFINGERに特有の要求を満たすために必要なソリューションを正確に入手できました」と、システムエンジニアリング部門の責任者は述べています。
 

さまざまな構成オプションの膨大なバリエーションを効果的に管理できる

クレーンのパフォーマンスを最適化するため、PALFINGERのクレーンはそれぞれ、その特定の構成に従ってパラメータ化され、調整されます。構成が多様であるので、各クレーンには独自のパラメータの組合せと固有の設定が適用され、その結果、データは非常に変動します。
 
「各クレーンが完璧に機能するよう、最終的にはすべての詳細を考慮し、すべてのデータを完璧に管理する必要があります」とZingel博士は説明し、「そして、まさにそれがpure::variantsを選択した理由です。pure::variantsによって膨大な差異と広範囲な構成オプションを効果的に管理できます」と続けます。エンジニアリングITの専門家は、「ソフトウェアはシステムのインテリジェンスです。したがって、高度に相互接続された大量のデータであっても、概要を把握することが重要です。必要なときに組み込むために、すべての情報が利用可能でなければなりません」、そして「pure::variantsを使うことで、そのために必要なツールが手に入りました」と言います。
 

価値ある投資

PALFINGERでは現在、全社で11本のpure::variantsフローティングライセンスを使用し、30名を超えるユーザーが利用しています。開発者の間で受け入れが進んでおり、追加のプロダクトラインでもpure::variantsの使用が始まっているため、将来的にはライセンス数がさらに増える可能性があります。「これは明らかに成果に見合った投資です」とZingel博士は述べています。
 
新しい制御ユニットを搭載したローダークレーンの最初のシリーズはすでに市場に出回っており、今後もさらに発売される予定です。「PALFINGERでこのプロジェクトがいかに迅速かつプロフェッショナルに実施されたかに感銘を受けました」と、同社でのpure::variantsの導入に同行したpure-systemsのMichael Schulze博士は述べています。
 
最終的には、PALFINGERの顧客もこの革新の恩恵を受け、新しいソフトウェア機能を効果的に利用し、クレーンのパフォーマンスを最適化できるようになります。近い将来、更新は「OTA(Over the Air)」、つまり無線で行われるようになります。「pure::variantsは、このようなサービスを提供するのに役立ちます」とZingel博士は喜びを表します。現在PALFINGERでは、pure-systemsが提供する要件管理やシステムモデリングツールなどの他のオーサリングシステムへのコネクタはまだ使用されていません。「しかし、これらのオプションが利用できると知っておくことは、将来に備えられるので良いことです」とZingel博士は将来を見据えています。
 

「PALFINGERでの立ち上げはわずか2年前で、ホットなフェーズが始まったのは6か月前でした。そして今、すでに製品が市場に出ています。これは非常に速く、たいへん満足しています」とZingel博士は締めくくります。TÜV Südも、ここで優れた作業が行われたことを確認しています。したがって、PALFINGERの顧客は、1932年以来慣れ親しんできた最高の製品を今後も受け取れると確信できます。

PALFINGER社について

PALFINGERは、国際的な技術・機械エンジニアリング企業であり、革新的なクレーンおよびリフティングソリューションの製造・提供において世界をリードしています。PALFINGERは、12,500人以上の従業員(派遣労働者を除く)、30を超える製造拠点、世界中に約5,000のサービスポイントを有する販売・サービスネットワークにより、顧客の挑戦に付加価値を創造しています。PALFINGERは、生産とバリューチェーン全体におけるデジタル化の可能性を活用しながら、効率性と操作性の向上を実現する革新的、スマートで完全なソリューションを提供する企業として、一貫してその道を歩み続けています。PALFINGERの主力製品はローダークレーンです。同社はこの分野で100以上の機種を展開し、世界市場をリードしています。